「ごちそうさまでした……」



空になったカップを前に挨拶する。


ドキドキしすぎて、あんまり味わかんなかったかも……

ふう……と息を吐く。


すると大切なことを思い出した。



「瞬、話があるんだけど……」

「ん、なに?」



食べ終わったゴミを片付けてくれたあと、ぱちりと目が合う。



「あ、あのね、夏祭り一緒に行かない?」



付き合い始めてからは、こうしてちゃんとしたデートに誘うのは初めてだ。


いつもは瞬が誘ってくれるし、ゆるーい約束ばかりだし。


ドキドキしながら返事を待っていると、眉間にしわを寄せて疑ってるような顔をされる。



「ふたりで?」

「うん……だめ?」



ふたりきりはまずかったかと不安になる。