君をトリコにする方法




カチ、コチ……と時計の秒針の音が部屋に響く。

瞬に教えてもらったおかげで筆の走りもよくなり、最後の問題の答えを書く。



「で、できたーっ!」



終わらせることができた達成感と嬉しさに包まれて、自然とばんざいしてしまう。


それを見ていた目の前の瞬は、優しい顔で微笑んだ。



「お疲れ様。まさか今日で終わらすとは思わなかった」


「えへへ、私も思わなかったよ~。瞬のおかげ!ありがとう!」



今思えば恥ずかしい宣言をしてしまったけど、そのあとはけっこう集中して勉強することができた。


瞬もそれからは真面目に教えてくれたし、はかどっちゃったな~。


ふふっと笑っていると、瞬が席を立つ。



「一旦休憩にするよな?ちょっと待ってて」

「うん、わかった~」



返事をすると、瞬が扉を開けて部屋を出て行く。


なにか用事かな?

待ってる間、気になってた漫画でも読ませてもらおうかな~。

勉強頑張ったし、ちょっとくらいいいよね!


勝手に拝借してパラパラとページをめくっていると、瞬は思いのほか早く帰ってきた。