君をトリコにする方法

「ドキドキしてんのはそっちじゃん」

「ど、ドキドキするようなことしてるのは瞬じゃん!」



私は悪くないという意思を込めて目を向ける。

このままじゃ瞬のペースに流されちゃう。


そ、そりゃ私だって触れ合いたいなあとか思ってるけど……


でも今はダメ!

まずは勉強を頑張る!



「瞬にドキドキしてたって勉強できるってとこ見せてやる!」



ほとんどムキになってそう言うと、瞬は不意を突かれたような顔をしたあと穏やかに微笑んだ。



「わかったわかった。ごめん、かわいいからっていじめすぎたな」


「あのですね!そうやってかわいいとか……わー!もういい!ここ教えて!」



問2の問題が書かれているところをビシッと指さす。



「ん、ここは……」



そうしてやっと勉強会が始まった。