君をトリコにする方法

「どこがわかんない?」



顔を上げると、思っていた以上に距離が近くてドキッとする。


恥ずかしくなって、バレないようにすーっと後ろに下がると、クスっと笑われた。



「なんで逃げんの?」

「えっ……!?」

「もしかしてドキドキしてる?」



わ、わかってるなら言わないでよーっ!

言い当てられて顔がぼぼぼっと赤くなる。


悔しくてキッとにらみつけるけど、瞬は変わらず楽しそうに笑う。



「あーあ、ほんとかわい」



愛おしいものを見るような目で微笑まれて、ドキドキのメーターがどんどん上がっていく。



「あ、あの!私、今日は勉強しに来たんだからね!」



このままではいつもの展開になってしまいかねないと思い、釘を刺す。


だけど瞬は聞いてない様子で、あろうことか私の髪に触れた。