君をトリコにする方法




「おかえり……っつーか、走って帰ってきた?」



瞬の家に着き扉が開くと、第一声にそう言われた。



「ちょ、ちょっとだけ……え、わかる?」

「まあ」



ゆっくりでいいのにと話しながら、家の中に入るよう誘導される。


お邪魔しますと挨拶してから、瞬の背中を追いかけた。



「ジュース入れてくるからちょっと待ってて」

「はーい」



もうとっくの昔に見慣れた瞬の部屋に入り、いつも座る場所に腰を下ろす。


前は全然そんなことなかったのに、付き合った今は少し緊張してしまう。



「あ、この漫画気になってたやつ……!って、今日はそうじゃないない」



興味を惹かれたものから気をそらすため、視線を動かす。


瞬の部屋はモノトーンが基調になっていておしゃれだ。


だけどゲームとか漫画とかが置かれていて、結構ごちゃごちゃしてる。


でもこれは昔から変わらないから逆に安心するなあ。


そうしてぼーっとしていると、ガチャっと扉が開いた。



「お待たせ、どーぞ」

「ありがとう!」



瞬が持ってきてくれたのはオレンジジュース。

いつもお花柄のかわいいコップに入れてくれる。