君をトリコにする方法

「いやでもこいつ甘いものとか苦手じゃ……むぐっ！？」



澪の口が突然ふさがれてびっくりする。

だけど、椛くんの表情が見たこともないとびっきりの笑顔だったからもっと驚いた。



「余計なこと言わないでくれる？僕は本気なんだ邪魔するなよ」



優愛ちゃんには聞こえないようにするためか、小声なのに声音はとんでもなく低くてぶるっと身震いする。


噂では聞いてたけど、見た目にそぐわなすぎる……！


というかどういうこと！？

椛くんは本気で優愛ちゃんのことが好きだってこと？


困惑したまま澪と目を見合わせる。


優愛ちゃ～ん！

とんでもない人に好かれてますよー！


思わず叫びそうになり、そんなことをしたら私の口もふさがれかねないと正気に戻った。



「しのぶくん？どうしたの？」



澪の口をふさいだのが気になったのか、優愛ちゃんが声をかけると、椛くんはぱっと手を離す。



「ううん、なんでもない。中川さんの口にゴミがついてると思って」



にこにこすらすらと嘘を吐く椛くん。

そんなわけないでしょ！と澪がツッコミたそうだ。