優しく教えてくれる優愛ちゃんに感動してると、隣の澪がシャーペンを置いた。



「あーっ、もう無理!やる気でない!」



背もたれにどーんと体重をかける澪。

それを見ていた優愛ちゃんは、ふふっと物柔らかな表情で笑う。



「長時間がんばったし、疲れたねえ。ちょっと休憩しよっか」


「さんせ~」



そういえば、と周りを見渡すと、教室にはもう私たちしか残ってなかった。


集中してて全然気づかなかったな。


だけどそれを認識してしまうと、どっと疲れが襲ってくる。


一休みにお茶を飲んで、そうだそうだと思い出した。



「あのね……ふたりにもうひとつ相談があるんだけど……」



そう切り出すと、澪も優愛ちゃんも聞く姿勢をとってくれた。



「その、瞬にもっと好きになってもらうためにはどうしたらいいと思う!?」


「はあ?」



私の悩み事のふたつめがこれ。


真剣に言ったのに、澪は思っていたのと違った話題だったのか、一気に興味が失せた顔をした。