君をトリコにする方法

「……ほんとは、花音ちゃんの方がお似合いなのにとか、そういう風に言われるんじゃないかって怖かったんだけど、もう大丈夫だから」



安心してもらえるようににこっと笑う。

だけど瞬は余計に目を吊り上げてしまった。



「はあ?そんなこと考えてたのかよ」

「えっ、ま、待って怒らないで」



澪たちのように喧嘩になってしまうんじゃないかと身構えたけど、それに反してまたぎゅっと抱きしめられた。



「怒ってない……ごめん、気づけなくて」

「えっ、いやいや瞬は悪くないよ!」



なんだかしょげてしまった瞬を慰めるため、背中に手を回してぽんぽんと叩く。



「俺は希帆だから付き合ってる。もし周りになんか言われても気にしなくていいよ」



その言葉を聞いて、思わず目を見張った。


いやまさか、本当にそんな風に言ってもらえるとは。



「……ふ、ふふ、あははっ。ありがとう、瞬」



込み上げてくる笑いをどうしても止められないほど嬉しかった。


優しくて温かい、まるで魔法の言葉だった。