君をトリコにする方法

「……はー……うん、いいよ」


「えっ、ゆ、許してくれるの……?」


「うん。俺も薄々気づきながら散々手出しちゃったし。ごめん」


「え、や、それは、全然……嫌じゃなかったし……」


「ま、俺の恋心もやっと報われたかってちょっと期待したけど」


「うっ……ご、ごめん……」



瞬の言葉がグサッと刺さって、罪悪感に襲われる。

すると「希帆」と呼ばれて顔を上げた。



「俺は嘘じゃないから」

「え?なんのこと?」

「希帆のことが好きだってこと」

「えっ……!?」



肩が跳ねて、顔がぶわあっと熱くなる。



「それで?俺たちがいつか別れるかどうか聞いてきた理由は?」



私はこんなにドキドキしてるのに、瞬はさっさと話を進めてしまう。


そんな中ちゃんと伝えるため、熱い頭を一生懸命働かせて言葉を紡ぐ。



「そ、その……恋人でも別れるかもしれないってことを考えてなくて……そしたら澪たちのことがあって、急に不安になっちゃって……」


「なるほど、そーゆーこと」



瞬は納得がいったのか頷いた。


私も重くて苦しかった心が少し軽くなった気がする。


ずっと隠していたことを言えたからスッキリした。


だけどまだこの部屋の空気はいつもより少し暗い。