君をトリコにする方法

じろりと見られてたじたじになる。

だけど嘘じゃない。


こうちゃんと会えてもちろん嬉しかったけど、話題はそこまで明るいものじゃなかった気がするし。


それにどちらかと言うと、アワアワヒヤヒヤすることが多かったし……


なんて、こんなの全部言い訳か。


改めて反省していると、瞬がクッションを下敷きにして座る。


「希帆も座れば」といつもより少し乱暴だけどそう言われて、素直に座らせてもらった。


って、この状態は……



「瞬、私と話してくれるの……?」



確信したわけじゃないから、不安になりながら聞く。



「そりゃするだろ、俺だって希帆と別れたくないし……」



この状況で不謹慎だとわかっていながらも、胸がきゅんとする。


嬉しい。

瞬がそう思ってくれていることがすごく嬉しい。



「なに笑ってんの」

「あたっ……!ご、ごめん」



デコピンされて痛むところをすりすりとさする。