それから私は瞬を避けてしまう日が続いた。


といっても実際の時間は全然過ぎてなんかなくて、ただ私が瞬と一緒にいれないことが寂しくて、長く感じてるだけだった。


こんな感覚、瞬が花音ちゃんと付き合ってるって噂されてたとき以来だ。


あのときはもうほんとどうしようもなかった。


結局、噂はデマだったからよかったけど、私の心境としては『とうとうきてしまったか……』って諦めてた。


瞬のことは好きだし、変わらず隣に居たかったけど、それは誰かを不幸にしてまでじゃない。



……ううん、そうじゃなくて、そこまでしていい権利なんてない、の方が正しいかも。



結局私は瞬のただの幼なじみで、でも瞬の彼女さんからしたら私みたいな存在はいちばんめんどくさくて。


少女漫画ではそういう存在の女の子がライバルっていうのはよくあるけど、私はそんな勇気を持ち合わせてなかった。


だから逃げた。



……私、あれから変わってないなあ。



あのときは嘘で救われた。


実際、瞬が花音ちゃんと付き合ってたのなら私にできることなんてない。


今更好きになってもらおうなんて言い出して努力したって、ふたりにとってはいい迷惑だし。


でも今は違う。


今は……私が努力すれば、行動すれば、瞬の隣にいられるはずなのに。