少し切なくなっていると、こうちゃんはニカーっと笑う。



「希帆は綺麗になったな!」

「ええ、そうかな?ありがと!」



もしかして気遣ってくれたのかな。


お世辞でも明るい声で褒められて気分が上を向く。


こうちゃんの人を元気づけるパワー、変わってないなあ。


そのことが嬉しくて心が温まる。



しばらく世間話をしながら歩いたあと、こうちゃんと別れた。



「……はあ」



会えてよかった、話せてよかった。


でもやっぱり、ひとりになると気分が落ちてしまう。


どうしても瞬のことを考えてしまう。


私は瞬の隣にいたいだけなのに、その方法は幼なじみでいることでも、恋人になることでもダメなのかな。