「流星、おはよう」

「あ!琥珀、星奈、おはよう!」




室内を見ると、流星は看護師と談笑しながら検温してもらっている最中だった。

こちらに注目した若い看護師は隣に立つ絆を見て驚いた様子だったが、すぐ笑顔を作って声をかけてきた。



「おはようございます」

「おはようございます、すみません朝早くから様子を見に来てしまって」

「いいえ、終わったので大丈夫です。
ごゆっくりどうぞ。流星くん、昨日のイルミネーションの話をしてたんですよ。よっぽど楽しかったみたいで」



彼女は流星と目を合わせて笑い合うと病室を出た。



「流星、身体は大丈夫?熱は下がったみたいだけど、おでこ痛くない?」

「ちょっと痛いけどへっちゃらだよ!俺つよいもん」



流星は額に大きなガーゼを貼っている。

怪我をさせてしまった罪悪感に気持ちが暗くなったけど、流星の笑顔に少し安らいだ。

その後拓海さんが来て本日中に退院できることを知らされた。



「中嶋さん、よろしいですか?」



説明が終わり無事退院できるみたいでよかったとほっと一息ついていると、拓海さんに呼ばれていつもの屋上に上がった。