惚れたら最後。

エレベーターに乗って最上階に向かい、部屋の中に入り広い玄関を抜けると、優に30帖はあろうかという大きなリビングが。

その広さに加え、まるでモデルルームのようなインテリアに唖然(あぜん)とした。

私が住んでるタワマンの一室より断然大きいし綺麗……。



「じゃ、オレがあっちの部屋に寝かせてくる。
もし起きたらゲームでもさせとくから」

「ああ」



すると、後ろから入ってきた憂雅が星奈を抱っこしたまま別の部屋に移動しようとした。



「え?なんであなたが?私が星奈と一緒に……」



後ろについて行こうとすると、後ろからガシッと手首を掴まれた。



「お前はこっちだ、琥珀」



問答無用で絆に引っ張られ、ここに連れてきた意味をようやく知って目を丸くした。



「ねえ、ちょっと待って」

「は?同じ空間ならいいって言ったよな?」

「え、でもまさかそういう意味とは……それに弟が入院中なのにそんなことできない」

「……俺がわざと入院させたってこと、分かってるくせに?」



その言葉にはっとして顔を上げると、突然担ぎ込むように抱き上げられた。



「最低!こんなことするために流星を入院させたの?あの子を利用したの!?」

「何とでも言えよ、もう放してやらねえからな。てか、そんな顔真っ赤にさせて言われてもなあ」

「っ……」



何も言い返せずうつむいた。

絆は部屋を移動し、私をベッドにおろすと馬乗りになり真正面から見据え、情欲的な瞳を向け内に秘めた感情の塊を吐き出した。






「俺から逃げた罰だ。抱き潰してやる」