惚れたら最後。

ええ、かわいい……。

実はさっきから彼の動作ひとつひとつにドキドキして仕方ない。

無表情に平然にしているつもりでも、魅力的なこの男に魅了されないわけがない。

こりゃ女が悩殺されるわけだわ。

私は自分を落ち着かせるために客観的視点に努めた。



「23……いや、21?」

「なるほど、じゃあその辺ってことにしておきましょう。外れてますけど」

「なんだよそれ」



また笑顔を咲かせる彼を見て、この男は心臓に悪いと感じた。

……顔がいいってのは罪だな。

なんてとぼけたことを考えていると、ふっと荒瀬絆が表情を変えた。

恐ろしく美しいその瞳の眼光は鋭い。


若頭の───“白狼”の顔だ。