惚れたら最後。

「え…ウソ……ここでプロポーズ!?」

「ばーか、どうせ受かってるだろうから数年後にちゃんとするよ」



慌てふためく私に絆は冷静に言った。



「宣言するとハードル上がるよ……?」

「それまでに計画を入念に練る。琥珀もそれまでウエディングドレスはどんなのがいいとか、考えておいてくれ。
たぶん琥珀は何着ても似合うけど」

「そ、そっか。私はとりあえず近々でお寿司食べに行きたいんだけど」



ポンポン話が進むから動揺して思いついたことを口にした。




「寿司?」

「ほら、以前刹那が実家に寿司職人勝手に呼んだって言ってたじゃん」

「ああ、あそこか。そうだったな、合格発表いつだったっけ?」

「1週間後」

「1週間か、そしたら怪我の治り次第で行こうか」

「うん、楽しみにしとく……痛っ」



テンションが上がって歯を見せて笑った拍子に、傷口が開いて鋭い痛みが走った。

「大丈夫か?」と絆が近寄ってきたその時、病室のドアがノックされ看護師と医師が入ってきて、痛み止めが処方された。

痛みが引くことで安心して眠気に誘われ、私は翌日まで眠りふけった。