惚れたら最後。

SIDE 絆



琥珀……気張ってるみたいだが、大丈夫だろうか。

心配になって後ろに歩く琥珀の顔をふと見た。

しかし、その頬はなぜか少しゆるんでいたから驚いた。



「な、何?絆」

「いいや、別に」



視線に気がついたのだろうか、琥珀色の瞳が揺れて動揺していた。

思いっきり言葉を噛んでびっくりした顔の琥珀が可愛い。

そう思いながら前に向き直ると、目の前に人が立っていた。

絆は驚いたあまり身体をびくっと震わせ足を止めた。



「やっぱ琥珀ちゃんってさぁ、肝座ってるよね」

「叔父貴、いつからそこに!?
……はぁ、気配なく立つのやめてくれよ……」



そこにいたのは組長代理の颯馬さん。

彼は爽やかな笑顔で琥珀と俺の顔を交互に見つめていた。



「えー?琥珀ちゃんに夢中になってた絆の前方不注意だろ?
にしても、『荒瀬の狂犬』とまで恐れられる理叶によく真っ向から挨拶できたよね、感心感心。
でもきっとすごく緊張しただろうし、永遠たちがいる離れにいって癒されておいで。
その間に話終わると思うから」

「……はい、ありがとうございます」




琥珀は颯馬さんの提案にほっとした表情で礼をした。

そして「じゃあまた後で」微笑みかけ、どこか足取り軽やかに方向を変えた。

俺はそっと笑い返し、表情を改めて歩き出した。