部屋に入ってきたのは車に積んだ最後の荷物を持ってきてくれた憂雅さんだった。

話を聞かれたんじゃ、と焦ったけど憂雅さんはぽかんとこちらを見つめている。



「すっげぇな。若頭に肩もませるなんて。
そんな女、後にも先にも琥珀だけだぞ」

「俺が率先してやってんだから文句言うなよ憂雅」

「別に文句じゃねえって、面食らったんだ。
……はい、琥珀。これで荷物最後だよな?」

「うん、ありがとうございます」



絆にマッサージされながら憂雅さんが運び入れた紙袋を受け取る。

中身を確認して傷ついていないかを確認した。



「それ、なんだ?」

「夢が遺してくれたアルバムだよ。3冊あるの。
私の小さい時の写真あるけど見る?」

「見る」



即答されてびっくりして、ちょっと苦笑いで1冊のアルバムを渡した。

絆はマッサージをやめて隣に座ると、一心不乱にそれを見て「可愛い」と呟いてはニヤニヤしている。



「うわぁ……既視感」



若頭らしからぬ表情に憂雅さんがぽつり。

しかし絆は気にも止めずアルバムをめくる。

すごい集中力だな、とある意味感心していると憂雅さんと目が合った。