惚れたら最後。

「琥珀……なんか絆に似てきたな」

「え?どこが?」

「今笑い方が瓜二つでびっくりしたよ。付き合ってると似てくるってほんとだな」



「そうかなぁ」と皿に取ったケーキを一口食べたら、隣に座っていた流星が笑った。



「似てるよ!だって琥珀は絆兄ちゃんのこと好きだし、絆兄ちゃんは琥珀のこと大好きだから」



そう主張する流星はなぜだか得意げだ。



「この前もね、いっしょにに温泉入った時の動画送ったらのすんごくうれしそうだったよ!ふたりは“りょうおもい”ってやつだね!」

「はぁ!?絆にそんな動画も送ったの?」

「だって絆兄ちゃんが全部ほしいって言うからUSBにほぞんしてわたしたよ?」

「嘘でしょ……」

「ハハハ!やられたなぁ琥珀!」



ふふんと鼻を鳴らす流星にがく然とした。

それを見て大笑いするのは憂雅さん。



「……後でやり返してやる」



しかし私の怒り顔を見て「やっぱ似てるわ」と真顔で呟いた。



「琥珀、ちょっとは手加減してあげてな?」

「さあ、どうでしょう?憂雅さん、絆が泣きついてきた時はよろしくお願いします」

「うっわ、やる気満々じゃねえか」



大口を開けていたずらっぽく笑う憂雅さんは次々とケーキを口の中に運んでいく。

その後彼らとスイーツを食べながら会話を楽しみ、楽しい時間はあっという間に過ぎていった。