惚れたら最後。

「刹那も来るかぁ……」



それに対し弟が苦手な絆はため息混じりに言った。



「別にいいよ、いずれ家族になるなら仲良くしておかなきゃ」

「………琥珀」

「ん?まあすぐにじゃないけどね。私大学に行きたいし」

「……は?」



将来まで考えている私に感動した様子だった絆は、大学に行きたいという一言に顔色を変えた。



「あれ、言ってなかったけ。私、まともに学校ってものに行ったことないから行きたいんだよね。
もう大学には出願したよ」



報告を受けて絆はしばらく黙り込むと、それから振り絞るように言った。



「嫌だ」

「え、なんでよ」

「共学か?」

「あー……そっちの心配ね。大丈夫、変装して地味な大学生として通おうと思ってるから。
それとも私がほかの男になびくとでも?」

「………」



黙り込んでしまった絆が子犬みたいでかわいい。

しゅん、とした雰囲気に垂れた耳とへたれたしっぽが見える気がする。



「あははっ、そんな顔しないでよ。大学に行って何をしたのか、今度ちゃんと話すね」

「したいことって?」




そう言われ、仕事用に使っていたスマホを取り出して絆にメッセージを送った。

『情報屋の一端(いっぱし)としてやりたいことがある』と。