惚れたら最後。

彼は嫌そうな顔をして大きくため息をついた。



「とりあえず話だけ聞こう。なんの承諾を得たいって?」

「その前にご報告させていただきます。
池谷の所在は割れました。場所は京都です」

「本当か!?」



半グレのリーダーの所在地が分かったと言うと絆が驚きの声を上げた。

しかし組長は苦虫を噛み潰したような顔をして「京都だと……」と呟いた。

その反応に、やはりこの男が自分の提案した計画を渋っていたのかと確信した。



「しかし所在地が判明したところで、奴を叩いても意味が無い。
池谷率いる半グレ集団には、バックがいると思われます」

「……同業者か」

「いいえ、それならすぐに足が着きます。
以前中国系のマフィアと半グレが手を組んだことがありますが、今回はその痕跡すら見当たらない。
今わかっているのは、たかが半グレに厳重な警戒で近づく組織があるということです」



荒瀬志勇は腕を組んで姿勢を崩した。

私は間髪入れずに言葉を放った。



「ですから、奴らを排除するために“西の手”を借りるべきだと思います」



はっきりそう伝えると目をつぶって、さらにひとつ大きく長いため息をつかれた。