私はいつしか17年という人生の中に、積み重なりがんじがらめになった秘密を抱えている。

だけど決してそれを人に明かすことは無い。

ましてやこんな幼い兄妹にそれを感じさせることなんて。



「いいわすれてたけど……今日のお姉ちゃんすっごくキレイだね!」



ふたりをベットに寝かしつけると嬉しそうに星奈が話しかけてきた。



「え?星奈、目大丈夫?おれ知ってるよ。
こういうのギャルっていうんだよ?おれはもっと“せいそけい”のお姉さんが~……」

「うるさい、あたしがキレイと思えばキレイなの!」

「へぇ~ワガママ~」

「ほら、早くおやすみ。夜更かしは体に悪いんだから」



琥珀が2人の頭に手を乗せなでると、彼らはそれ以上言い争うことは無かった。

しばらく見守ったあとで変装を解こうとバスルームに向かった。