……早く回復せねば。


 公務に復帰せねば。


 そして何より、一刻も早く御屋形様の元に戻らねば……と気持ちばかりが焦る。


 陶家の当主、そして周防をはじめとした六カ国の守護として栄える大内家の重臣として。


 御屋形様の元を長らく離れるわけにはいかない。


 そればかりではなく、私がそばにいなければ御屋形様は……。


 御屋形様と長く会えずにいることは、公私共に耐え難いことではあったため、その夜も薬を飲み早くに床についた。


 早く回復したいと切望するあまり、最近では効き目の強い薬を服用し続けていた。


 薬には強い睡眠作用があり、たちまち私は眠りへと誘われてゆく。


 ここでこんなことをしていられない……。


 早く大内館に戻って、御屋形様をお支えせねば。