厳島に散ゆ~あんなに愛していたのに~

 天文24年(1555年)10月1日未明。


 陶晴賢、自刃。


 享年35歳。


 ~何を惜しみ何を恨みん元よりもこの有様に定まれる身に~


 (今さら何を惜しみ、何を恨むというのだろう。こうなることは最初から決まっていたのだから)


 御屋形様を手にかけたあの日から。


 いや、御屋形様に出会い、愛したあの時から……。