天文24年(1555年)九月末日、毛利元就との決戦に備え、私は厳島(いつくしま)へ上陸し、陣を敷いた。
戦国時代最大規模ともいわれる厳島の戦いが始まる。
翌10月1日、折からの暴風雨の中、未明に毛利軍が奇襲攻撃を仕掛けてきた。
このような荒れ狂う海を越えて攻めて来るとは、さすがの私も想定外で。
厳島島内の軍勢は大混乱に陥った。
とりあえず退却し、軍勢の立て直しを図ろうと試みるも……すでに退路は断たれており、この厳島から逃れることは不可能だった。
暴風雨の中でも少しずつ明るさを増している夜明けの海は、未だ荒れ狂っている。
あの日を思い出す。
御屋形様を手にかけた時も、荒れ狂う嵐の夜明けだった。
御屋形様も最期を迎える際は、こうして夜明けの海を眺め続けておられたのだろうか。
死に場所を求めて……。
戦国時代最大規模ともいわれる厳島の戦いが始まる。
翌10月1日、折からの暴風雨の中、未明に毛利軍が奇襲攻撃を仕掛けてきた。
このような荒れ狂う海を越えて攻めて来るとは、さすがの私も想定外で。
厳島島内の軍勢は大混乱に陥った。
とりあえず退却し、軍勢の立て直しを図ろうと試みるも……すでに退路は断たれており、この厳島から逃れることは不可能だった。
暴風雨の中でも少しずつ明るさを増している夜明けの海は、未だ荒れ狂っている。
あの日を思い出す。
御屋形様を手にかけた時も、荒れ狂う嵐の夜明けだった。
御屋形様も最期を迎える際は、こうして夜明けの海を眺め続けておられたのだろうか。
死に場所を求めて……。



