私は御屋形様の幻影から逃れるよう、任務に没頭した。
まずは「大寧寺の変」とその前後の混乱により乱れ切った、大内家の勢力回復。
一度崩壊した秩序を取り戻すのは、並大抵のことではなく。
内外勢力の引き締めを図るため、厳しい政策を次々に実行したのだが。
新たな政策に反発する勢力が姿を現し始めた。
天文23年（1554年）、石見（いわみ）の吉見正頼（よしみ まさのり）が大内家から離反。
御屋形様の姉上の嫁ぎ先である立場を利用し、自らが正統な大内家後継者であると自称し、御屋形様の敵討ちを大義名分として。
そして……追討軍を石見に派遣した隙を突いて、ついに安芸の毛利元就が反旗を翻した。
もしかしたら元就は、ずっとこの日を待ちわびていたのかもしれない。
そして息子の隆元は、御屋形様の敵を討つと心に誓っていた。
私が御屋形様を手にかけたあの日から。
彼らは常に隙を窺い、ひたすら機会を待ち続けのだろう。
御屋形様の敵を討つために？
いや、この周防の国のみならず、西日本全域を掌中に治め、西国の新たな覇者となるために？
まずは「大寧寺の変」とその前後の混乱により乱れ切った、大内家の勢力回復。
一度崩壊した秩序を取り戻すのは、並大抵のことではなく。
内外勢力の引き締めを図るため、厳しい政策を次々に実行したのだが。
新たな政策に反発する勢力が姿を現し始めた。
天文23年（1554年）、石見（いわみ）の吉見正頼（よしみ まさのり）が大内家から離反。
御屋形様の姉上の嫁ぎ先である立場を利用し、自らが正統な大内家後継者であると自称し、御屋形様の敵討ちを大義名分として。
そして……追討軍を石見に派遣した隙を突いて、ついに安芸の毛利元就が反旗を翻した。
もしかしたら元就は、ずっとこの日を待ちわびていたのかもしれない。
そして息子の隆元は、御屋形様の敵を討つと心に誓っていた。
私が御屋形様を手にかけたあの日から。
彼らは常に隙を窺い、ひたすら機会を待ち続けのだろう。
御屋形様の敵を討つために？
いや、この周防の国のみならず、西日本全域を掌中に治め、西国の新たな覇者となるために？
