エレベーターの中でも、男性は私の手を握ったまま。
私は彼の手を見つけながら、ぼんやりと考える。
どうして、この人はこんなにも強引なんだろう。
結婚は恋愛。
要は伴侶となるべきな二人が相思相愛のすえに結ばれるもの。
ゆえに見合い、とくに政略結婚は双方イヤイヤというのが私の認識だった。
男性の、相手への執着が窺える表情は新鮮にすら思える。
この人は玲奈ちゃんだと思っていたから見合いをしたんだ。
なのに彼女じゃなかったから怒っている。
罰に私と結婚しようと言い出すくらいに、とても。
……この人は玲奈ちゃんが好きなんだ。
なんでだか、ずきりと胸が痛くなる。
従妹は頭も良く、美人だ。
性格もよくて、周囲から愛される。
……私とは違う。
三ツ森ひかるではなく、父や多賀見の付属物としか見てもらえない私とは。
目が熱くて視界が滲む。
俯いていた事に気がついたのは、彼に顔を強引に上げさせられてからだった。
瞳を覗き込まれて、隠岐さんが肉薄していることに狼狽えてしまう。
「なにを泣く」
「泣いてなんか」
「じゃあ、これはなんだ」
彼の指が信じられないくらい、優しく私のまつげから雫をすくいとる。
彼は私から目を、離さない。
私は逃げたくても逃げられない。
「今日。縁談を断るつもりだったが、貴女を見て気が変わった」
低く、感情を無理矢理封じ込めようとしてるのに、おさえきれていない。
うごめく情動を感じさせる声。
「貴女が誰だろうと関係ない、多賀見の娘として俺と結婚してもらう」
逃さない。
そんな副音声が男の双眸から聞こえてきた。
呑まれそうになる。
「いきなり結婚なんて無理です!」
シンデレラだって、王子様とダンスする時間があった。それなのに。
「問題ない」
出会って一時間もせずに結納の相談なんてアリなの?
問題だらけだよ!
私は彼の手を見つけながら、ぼんやりと考える。
どうして、この人はこんなにも強引なんだろう。
結婚は恋愛。
要は伴侶となるべきな二人が相思相愛のすえに結ばれるもの。
ゆえに見合い、とくに政略結婚は双方イヤイヤというのが私の認識だった。
男性の、相手への執着が窺える表情は新鮮にすら思える。
この人は玲奈ちゃんだと思っていたから見合いをしたんだ。
なのに彼女じゃなかったから怒っている。
罰に私と結婚しようと言い出すくらいに、とても。
……この人は玲奈ちゃんが好きなんだ。
なんでだか、ずきりと胸が痛くなる。
従妹は頭も良く、美人だ。
性格もよくて、周囲から愛される。
……私とは違う。
三ツ森ひかるではなく、父や多賀見の付属物としか見てもらえない私とは。
目が熱くて視界が滲む。
俯いていた事に気がついたのは、彼に顔を強引に上げさせられてからだった。
瞳を覗き込まれて、隠岐さんが肉薄していることに狼狽えてしまう。
「なにを泣く」
「泣いてなんか」
「じゃあ、これはなんだ」
彼の指が信じられないくらい、優しく私のまつげから雫をすくいとる。
彼は私から目を、離さない。
私は逃げたくても逃げられない。
「今日。縁談を断るつもりだったが、貴女を見て気が変わった」
低く、感情を無理矢理封じ込めようとしてるのに、おさえきれていない。
うごめく情動を感じさせる声。
「貴女が誰だろうと関係ない、多賀見の娘として俺と結婚してもらう」
逃さない。
そんな副音声が男の双眸から聞こえてきた。
呑まれそうになる。
「いきなり結婚なんて無理です!」
シンデレラだって、王子様とダンスする時間があった。それなのに。
「問題ない」
出会って一時間もせずに結納の相談なんてアリなの?
問題だらけだよ!



