ぐい、と顔が見れるくらい、引き離される。
彼が私と視線を合わせてきた。
「貴女を貸し出して欲しいと申し込んだ俺に、多賀見は見合いを申し入れてきた」
「え?」
私のレンタルってなに?
ふっと彼が苦笑をうかべる。
なんなの、その大人の艶と色を滲ませた顔は。
私の心臓を攻撃しないで。
「俺の弱みをついた、見事な策略だと賞賛せざるを得ない」
こんなエリートっぽい人が弱みなんてあるの?
多賀見っていうなら伯父様なんだろうけど……、頭のなかはハテナでいっぱい。
でも、一つ確かなことがある。
「ありえません。多賀見は代々恋愛結婚の家柄なんです」
こわい気持ちにフタをして、男性を見上げた。
お祖母様もそうだし、伯父様達やお母さん達しかり。
私や従兄妹にもつねづね『好きな人と一生を歩みなさい』と言ってくれている。
だが、男性は聞き入れてくれず。
「なぜ、見合いを仕組んだのか。今、秘書に多賀見氏をお呼びしたから直接訊ねればいい」
あんなに多忙な伯父様を呼びつけた?
この人、何者なの。
「行くぞ。君との結納の日程について、多賀見氏と相談する」
彼は私の腰を抱くと、建物に移動しはじめた。
「待ってください!」
まだ、この庭を堪能してない!
彼は立ち止まると、私を見つめてきた。
深い想いがこもったような視線に目をずらせない。
「……ひかるには、恋人がいるのか?」
「いま、せんが」
私が男性を見つめれば、彼の瞳が和んだ。
あまりに柔らかく優しく眼差しにどきん、と心臓が鳴る。
「俺もだ。縁のない男女が見合いで出会い、恋愛感情を育むのも一つの手段だと思わないか? ひかる、俺は貴女と結婚する」
ふ、と彼が口角を上げた。
それだけで世界は自分の意のまま、というようにふてぶてしい顔になった。
そして冒頭に戻る。
彼が私と視線を合わせてきた。
「貴女を貸し出して欲しいと申し込んだ俺に、多賀見は見合いを申し入れてきた」
「え?」
私のレンタルってなに?
ふっと彼が苦笑をうかべる。
なんなの、その大人の艶と色を滲ませた顔は。
私の心臓を攻撃しないで。
「俺の弱みをついた、見事な策略だと賞賛せざるを得ない」
こんなエリートっぽい人が弱みなんてあるの?
多賀見っていうなら伯父様なんだろうけど……、頭のなかはハテナでいっぱい。
でも、一つ確かなことがある。
「ありえません。多賀見は代々恋愛結婚の家柄なんです」
こわい気持ちにフタをして、男性を見上げた。
お祖母様もそうだし、伯父様達やお母さん達しかり。
私や従兄妹にもつねづね『好きな人と一生を歩みなさい』と言ってくれている。
だが、男性は聞き入れてくれず。
「なぜ、見合いを仕組んだのか。今、秘書に多賀見氏をお呼びしたから直接訊ねればいい」
あんなに多忙な伯父様を呼びつけた?
この人、何者なの。
「行くぞ。君との結納の日程について、多賀見氏と相談する」
彼は私の腰を抱くと、建物に移動しはじめた。
「待ってください!」
まだ、この庭を堪能してない!
彼は立ち止まると、私を見つめてきた。
深い想いがこもったような視線に目をずらせない。
「……ひかるには、恋人がいるのか?」
「いま、せんが」
私が男性を見つめれば、彼の瞳が和んだ。
あまりに柔らかく優しく眼差しにどきん、と心臓が鳴る。
「俺もだ。縁のない男女が見合いで出会い、恋愛感情を育むのも一つの手段だと思わないか? ひかる、俺は貴女と結婚する」
ふ、と彼が口角を上げた。
それだけで世界は自分の意のまま、というようにふてぶてしい顔になった。
そして冒頭に戻る。



