【改訂版】CEOは溺愛妻を杜に隠してる

 チャンギ空港に到着した。

 プレイベードジェットの昇降タラップに横づけされたリムジンでホテルに向かう。

 リムジンから夫に手を差し出されて降りた瞬間、またもや私はあんぐりと口を開いてしまった。

 護孝さんによるとコロニアル式のホテルなんだそう。
 ……ナントカ式はわからないけれど、クラシックな雰囲気が素敵。
 車から降りてくる客、車のキーを預るボーイ。
 全ての人々が洗練された動きをしていることからも、最高級ホテルであることがわかる。

 自分でも顔色が悪くなるのがわかった。

「ひかるの面白ショットで、俺も忘れられない旅になりそう……」

 護孝さんが体を震わせる。
 護孝さんは目元を拭いながら、むうと頬を膨らませている私の肩を抱いた。
 キーを受けとると、勝手知ったるといった様子で護孝さんは歩き出す。
 ボーイがトランクを乗せたカートを押しながら後ろからついてくる。

 感嘆の声こそ出すのを我慢したけれど、私はあちこち見るので忙しかった。

 白塗りの壁に黒に見まがう焦げ茶色の窓枠やドア。
 重厚な家具類や照明が落ち着いて熟成された雰囲気を醸し出しているのに、重苦しくはない。

 開放的な間取りや明るい壁でアットホームな空気が漂うせいかもしれない。
 私は海外に行ったことがないけど、ホームステイするならこういったタイプの家がいいと思った。