孤独のその先に

「…お父さん…康二さんには借金があったの」


ポツリ、ポツリと呟く。


当時、希咲さんは父と結婚し、その間に私と琉樹兄を産んだ。


ふつうの家庭と比べたらかなり貧乏な生活をしてたらしい。


しばらくして、希咲さんは父に借金があることに気づいてしまった。


もしかして、結婚したのは愛でもなんでもなく、ただたんに自分に押し付けようとしてるのではないかと考えた。