内藤謙太郎

彼は肩幅が広く、大柄でガタイがいい。

背がかなり高い。
足も真っ直ぐに長く、立っているだけでかなり迫力がある。

少し反抗的なキリッとした太い眉。
くっきり二重の切れ長な目。
顎のラインと大きな口は男らしく、全体にかなり整った精悍な顔をしている。

傍若無人な態度でいかつい感じだが、明るいし、頭も良くて人に迷惑をかけたりしない。

目立って楽しく遊ぶが常識の範囲内なので男女の友達も多い。

その上成績が1位を争うほど上位で、いつも悠々としている。

あんなに女たらしだ、とか、チャラい、とか噂されているのに、不思議と謙太郎を悪く言う生徒はいなかった。

今、謙太郎の前に、綺麗な長髪のスタイルのいい女生徒が泣きながら怒っていた。

そしてもう1人は、髪が短めのかなり可愛い子がやはり何だかんだ怒っている。

一目見ただけで、揉めてるのがわかった。

女の子たちが怒ってるのに、謙太郎はポケットに手を突っ込み、関係なさそうにしれっとしていて、一言だけ冷たく言った。

「もう、どっちでもいいよ。俺は。ジャイケンでもすれば?」