響は謙太郎を唆す


父親はものすごく怖い顔をしていた。

紗代子はさすがに怯んだ。
父親が無理やり車から降ろし、ものすごい剣幕で怒鳴った。

「なんて事をしでかしたんだ!先程、警察と戸波さんの弁護士から電話があった。お前のやったことは、わがままの範囲を超えている。非常識極まりない!」

紗代子は、父親に腕をつかまれうなだれた。
謙太郎は何の話か分からずに驚いた。

「お前は1人娘だが、後を継がす気はない。自分のやりたいようにする、配慮もない、そんな常識のない者が継いだら、家が潰れてしまう」
「何か、あったんですか?」

と謙太郎が口を挟んだ。

「聞いとらんのか?」