響は謙太郎を唆す


バタン、

と、すぐ車のドアの音がして、インターフォンが鳴った。
(出れないよ)と思ってぐずぐずしていたら、続けて何度も鳴るので、起き上がってドアを細めに開けてのぞいた。

「響か⁈」

今、思い悩んでいた謙太郎が、門扉の向こうで笑った。

背が高いから、門よりかなり上の方に顔が見えて、門の上に手をかけて、手のひらが大きくて、どきっとした。

転びそうになりながら、門のまでいって、謙太郎を見上げた。

「何送っても既読にもならないから、なんか心配で様子を見にきた」

そう言えば警官に渡してから携帯どうしたっけ。
どこ置いたのか⋯⋯ 持っていない。
学校の帰りに[後で連絡する]って送信したまま、ちゃんと見てない。
先生に電話した時、謙太郎から来ていたのを既読無視した。
それで、謙太郎は心配して来てくれた。