謙太郎は、ホテルから両親となぜか紗代子と家に帰ってきた。
紗代子と母親は着物だったので着替えを待った。
パーティー会場に紗代子の両親はもちろん来ていたし、何のために家に、と思い、当然の目的に寒気がした。
招待されよく知ってる知人のお祝いに行く、こんな状況でも最低限の礼儀かと思ったし、こんな事も最後かと思ったが、やはり甘かったかもしれない。
まるで両家の後取り、紗代子と結婚するのが当然のような周囲の雰囲気と、家族の行動が、囚われていくようで恐ろしい。
家について二階の自分の部屋にすぐ入った。
最近は出かける時も家にいる時も鍵をかけていた。
今、スーツを着替えるのに、謙太郎は鍵をかけるのをうっかり忘れて上半身裸になった。
すっと、外からドアが開いた。
謙太郎がズボンのボタンに手をかけた時だった。
とっさに振り返った胸元に、紗代子が飛び込んできて抱きつかれた。
怯んだ隙に、グッと髪を掴まれ、キスされた。


