気後れしていたら、隅の方にいくつかソファーがあった。
一番隅の端の、もう灯も届かないぐらいの暗い場所のソファーに座って一息ついた。
ちょうど柱の影から《孔雀の間》の入口全体がよく見えた。
落ち着いた厚い絨毯敷きの空間。
繊細で豪華なシャンデリア。
花瓶には、どうやって入れたか分からないぐらいの華やかな木と花がまるで生えているようにいけてある。
一目でパーティーの参加者とわかる、上品な男女が笑い合い、久々の邂逅を喜びあう。
高齢の紳士も、その奥様たちも、落ち着きの中に華やぎを匂わせ、生まれながらの品が漂う。
レンの店とここは、こんなにも世界が違う。
場違いな私。
しばらく、ぼんやり招待客を眺めていたら、広間の向こう、駐車場の方から直接上がってくる通路の方が、一際華やいだ雰囲気に包まれ、広間の人達も扉が開いて止めてある《孔雀の間》の中の客も、皆がそちらに注意を向け、重要なメインゲストが到着したことが分かった。
小走りで挨拶する人、手を止めわざわざ体を向ける人、大きな声で挨拶する人、そして、その人達の姿が現れた。
謙太郎と紗代子だった。


