響は謙太郎を唆す



「おばさま、ごめんなさい!
実は私、昨夜⋯⋯ 」

「まぁ、紗代ちゃん、なあに?
言いにくかったら、後でもいいのよ」

「私⋯⋯ 謙太郎さんにキされたんです。」

響は、ぎょっとした。
心の中で(はぁ?????)と思った。
あるわけないし。
ありえないし。
「謙太郎そんな人じゃないわ!」と叫ぶかわりに、大きく息を吸った。

響は黙っていたのに、沙夜子は、

「嫌だ!響さん、いい加減にして!」

また何を言い出したのか、急に刃が向けられた。
「何が⁈」と心の中で答えた。

「この目つき!そんな目で私を見ないで。
こわいわ!
もう、あなた、退学されたらどう?
謙太郎さんの前から、消えてよ!」

「それは、どうかと」

と担任が口をはさんだら、

「センセイは黙ってて下さいな!」

とお母様が気を悪くされた。