響は謙太郎を唆す


何だか、久しぶりな気がした。

学校でしか会えなくて、ラインでしか2人じゃないかんじ。
話してる。
会ってる。
ずっと。

でも、響は、謙太郎の家がどうなったのか、謙太郎はどう決心したのか、紗代子が家にいて大丈夫なのか、ぜんぜん話したことがなかった。
謙太郎は自分のことは自分で考えるべきだ、と信念を持っていた事が、逆に何も聞けないような事になる。いつも響は、はっきりと意見を持って言葉にして、それは自分にも必ず帰ってきて自身を縛っていた。

先日も響と担任は、謙太郎の母親と紗代子に呼び出されていた。5回目だった。
またしても、要領の得ない話だったが、初めよりだんだんと紗代子の態度が、自信にあふれ酷い言い方をするようになっていた。
そろそろ3ヶ月、紗代子はまだ、謙太郎の家にいた。
謙太郎の子供の時の話、どれだけ親しくて、将来の約束があるのか、2人の家庭の未来の姿。

話はとまらない。

紗代子が話す家での謙太郎の様子。