響は謙太郎を唆す


謙太郎は苦笑いした。

「脱獄してそれから乗り換える資金もない」

響は即答で、

「借りたら?出世払いだからって。知ってる大人、数人から借りたらいけるんじゃない?」

あっけらかんと言い切った。
謙太郎は息をのんだ。

「私もバイトするから、全部あげるよ。まず、レンにも借りて、」

あっと忙しく響は言った。

「住むとこは、大丈夫!レンは困ってる若手やスタッフのために、ワンルームマンション持ってるから。それに、私の家、一軒家に見えるけど、全員の部屋が実はワンルームの作りになってるんだ。来ていいよ!」

と一気に喋ってから、謙太郎を見て、はっとなった。 
響は、自分の勢いで話した事には、響と一緒にいる事が前提なのに気がついた。