「あー、さっきもキョウスケって言ってたな。愛称かと思った。」
と謙太郎が言ったら、響は、
「レンは、私が知ってる限り、キョウスケだと本気で信じてる⋯⋯ 」
お母さんはレンの仕事に同行する。
兄の弦はメンバーだし、姉の奏は、デリマリの個人事務所のマネージャー兼責任者みたいになってる。
「皆、好き勝手な時間に行動するので、家も鍵が一日中開けっ放し。
鍵も持ち歩かない。
誰も閉めないし、お構いなく出かけて、適当に帰ってくる。
私だけが、気にして開け閉めしている。
ご飯をきちんと食べる人もいないので、その時に合わせて何となく私がする事になった。
私だけは、普通に平凡に、毎日同じ時間に出て、帰宅して、ご飯を食べて、寝る。
私だけがただ、普通に、規則正しく暮らしたいと思ってる。
中学の入学式では両親とも来てくれたが、事情を知らない保護者が警察を呼んでしまって大騒ぎになった」


