それでもこんな俺だ。
今できるのは、せめてここから動かない事しか出来ない。
俺の問題に響を巻き込む。
それでも、ここから逃げない。
「9時には帰れ、高校生。ゲンに送ってもらえ」
「俺が、響の家まで送る」
と、レンの言葉にかぶせるように謙太郎は言った。
しばらくレンは謙太郎を無表情で見ていたが、
「ナイトってか?姫をまかせて、大丈夫なんだろうな。まぁ先程の様子じゃぁ、命がけだと判断するに値する様子」
と、舞台のような声で、セリフのような言い回しをして、もう一度謙太郎を睨んだ。
サングラス越しの目は鋭かった。
レンが皆のところに戻り、響はため息をついた。
「私の学費のためのツアーって、それで今回が引き落とせなかったって、どうなんだろう?」
謙太郎はそうだな、と笑った。
響はそれを見てポツポツ話し出した。


