ジャラジャラとアクセサリーの音がして、細い黒の革パンの足が、謙太郎の制服の足にあたった。
サングラス、軟骨ピアス、シルバーのゴツいリングにブレスレット。
響の父親。
ミュージシャン。
『デリマリのボーカルのレン』は、およそ父親には見えない。
若いというか年齢不詳で、骨張った細身の体型も銀色の流れるような髪型も、よく通る大きな声の話し方も、父親の雰囲気がまるでなかった。
謙太郎はさっき見た光景を思い、響が『レン』と呼んだ時、全く誤解してカーッとなったのを思い出した。
今こうして見ても、やはり親子とは思えなかった。
部屋の真ん中には響の家族がいる。
レンが黙っているので謙太郎は何となくそちらを見た。
母親だと紹介された女性は、レンと同じく年齢が全くわ分からない感じだが、妙に肝が座った感じの得体が知れない雰囲気だった。
赤い髪の兄、バンドメンバーのゲン。
あと、姉、って言ったっけ。他のバンドメンバーとスタッフの中にいるのだろうか、見分けがつかない。


