響が謙太郎とソファーに座ったら、
「どうしてた?」
と聞かれた。
謙太郎は体を全部傾けて、のぞき込むように響を見ている。
片腕を背もたれに回して、響は真横から謙太郎の大きな体に包まれるような気がした。
響は謙太郎の体温を感じた。
香水の匂いが懐かしく思った。
響は何も言えずに謙太郎を見たら、謙太郎が見てた。真剣に。
響は自分が泣くと思った。
レンがいるからなんか言われちゃうのに。
謙太郎を見たら、こんな風に私を見る人が会おうとしなかった、会ってしまえば、こんなに気持ちがあると思えるのに、辛かったし、混乱するし、分からないし。
でもこの気持ちを言いたいのも、慰めてもらえるのも、謙太郎だけなんだ、とか考える。
泣いてしまう⋯⋯ 。
でも、それも悔しい。


