響は謙太郎を唆す


自立させない両親。
それが当たり前だと信じている。

謙太郎が意思を持ったとたん、完全に人格を否定されて、彼らの持ち物であるよう強要される。

まるで居心地のいい檻だ。
(家を出るしかない?)
そして、その決心がつかない。
正直怖い。
どうやって暮らして、どうやって大学に行けば良いのかわからない。

でも響は「内定なんてくそくらえ!」と正々堂々、外部受験すると力強く立ち上がった。

出口のない円の中で、その言葉は天から降りてきた命綱みたいだった。
蜘蛛の糸のように。
しっかりと掴んで、登っていける自分になりたいと思う。