私もすぐに気づいた。
鼻が全く同じ形だった。
多分目を開けたらもっと似ている気がする。

「と言う事は、私にも似ているって事だね!」

これまた嬉しそうにお義父様が言う。

「桜川の跡取り息子だもんねぇ。
ね、名前は決まっているの?」

そこで私と寿貴先生は思わず目を見合わせた。もちろん、男の子だと性別がわかった時から考えてきた。その名前の発表の時だ。

「決まっているよ。
『ひとき』って言うんだ。」

そう言って、予め書いておいた半紙を皆んなに向けた。


【命名 仁貴(ひとき)】


「…仁貴…。」

「あらまぁ、桜川家の “貴” に朝倉のおじいちゃんから一文字取ってくれたのね〜!」

母が真っ先に叫んだ。

父から言葉はない。
もう号泣しているから。

「うん。良い名前だねぇ!
桜川仁貴くん、君は皆んなに愛されて幸せな子だ。元気に育っておくれよ。」

お義父様が仁貴の頭を撫でてくれた。