「ほら、計測終わったよ。
寿貴先生が持ち上げて。
花さんの胸に置くよ!」

私の上衣を吉田助産師がはだけさせて、軽く拭いただけの赤ちゃんを、寿貴先生がそっと置いた。

あったかい…
熱いくらいだ…
それに思ったより重みがある。
命の重み…

「花! こっち見て!」

見上げるとカメラを構えた寿貴先生。

「あ。コラッ!
寿貴先生、まだ処置が残ってる!」

「写真撮らせてよ〜! 吉田さ〜ん。」

「私、ぼろぼろだよ…?
あー、でも可愛い〜。
あったかいよ〜!」

そう言ってる間に、パシャパシャと、何枚も撮る寿貴先生。
スマホに替えて、まだ撮っている。
ウニャウニャと動く我が子はとてつもなく可愛い。

「産まれてきてくれてありがとう。
よろしくねぇ。」

私は産まれたての息子の小さな手と指で握手をした。