『幸運な事に間違いを犯さずに済んだ人』
花は俺のことをそう言った。

そうだ。
今なら客観的に見る事もできる。
花の言う通りだった。
俺は、自分にはトラウマありきだと思って諦めて生きてきた。
でも、根本からそれが覆された。


7歳も年下の花に、カウンセリングを受けた気分だ。
いや、本人は気付いていないかもしれないが、彼女の話す手順はカウンセリングそのものだった。
まず静かに聞く。
ただ共感する。
そして事実のみを客観的に伝える。
……それだけだ。

俺は…