いずれ、桜川の跡継ぎ問題を親に出されるだろう。

俺にも、もしかしたら好きになれる女性が現れるかもしれないし、現れなければ見合いをして、妻を娶る事になるだろう。
だけど、その時俺が妻を、身体も含めて愛してやれるかはわからない。
このトラウマのせいで。

そう考えて、精子の凍結保存だけはしておかないと!……と、その時の焦る気持ちのまま実行していた。

カウンセリングに通うことも考えた。
でも、誰かに打ち明ける勇気もなかった。
完全に拗らせたまま、女嫌いとして通し、現在に至る。




この長い告白を、花は感情を出さないようにして、聞いてくれた。
きっと、不快な思いをしたことだろう。

それに、さっき、あれだけ熱い想いを打ち明けたにも関わらず、俺の告白の内容は、今後の不安材料でしかない。
付き合いを考え直したいと思って当然だと思う。