1秒、1分、1時間と時間は進む

けれど20XX年に時間の流れは変わった

みんな進むはずの未来とは別の方向へと

ある日をきっかけに

記憶が書き換えられて…


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《空に咲く光の花》


ある日、それは月が綺麗な満月の夜。

僕は、夜中の街を一人で歩いていた。

人気(ひとけ)のない街。

帰る家はあるけれど、

帰る気にはなれなかった。

「今日は月が綺麗だ」

そんなことを思いながら街を歩く。

すると突然、空に光の花が咲いた。

ひとつのある星が爆発を起こしたのだ。

その次の瞬間、一瞬辺りが光に覆われた。

「いったい何が起きなんだ…」

「何が起きたの?」

どうやら、何が起きたか疑問に思っている

人は、僕だけではないようだ。

僕を含め僕の周りにいた人達はみんな混乱
していた。

僕は、周りの変化に気がついた。

さっきまで向かいにあったはずの古い本屋
が、無くなっていた。

そのかわりに、新しく違う建物がたってい
た。

「なんだよこれ、20YY年○月✕日って」

ある男が道に捨てられていた新聞を見て言った。

その言葉に周りにいた人達も驚いた。

20XX年から20XY年。

あの一瞬で5年もたっていたというのか…

だとしたら、タイムスリップしたことにな
る。

でも、そんなことが可能なのかと言われた
ら分からない。

一人の女性が僕に話しかけてきた。

「ねぇ、私たちタイムスリップしたの?」

「今の状況だとそう考えるのが1番かと」

この会話を聞いて周りにいた残りの人たち
も集まってくる。

どうやらこの事件に巻き込まれたのは僕を
含め6人だった。

「おい、この新聞を見ろよ!」

そこには、大きな見出しで

『20XX年 行方不明者6名いまだ足取り不明』

っと書かれている。

僕はその記事が僕たちを指していることに気づいた。

「どうやら、あの一瞬の光で5年が達…」

「僕たちはその間、行方不明だったと」

僕がそういうとみんな理解できないという顔をしていた。

それも無理はない。

タイムスリップなど起こるはずがないのだから…

するとこちらの方に巡回中の警察の方が来て

「君たち…行方不明者の…」

「いったい今までどこにいたんだ?」

と聞いてきた。

「俺達はタイムスリップしたんだ」

「信じてもらえないと思うけど…本当なんです!」

「訳の分からないことはいいから1回署までついてきてください」

そう言われ署まで同行した。