‐守人side‐

目の前でイルミネーションがキラキラしている。
俺は頼が帰る直前に俺の耳元で言っていた言葉がリピートしていた。

『プレゼントちゃんと渡せよ?』

ポッケトの中でずっと握りしめているからかなり熱くなっている。
朝から頼にシチュエーションを考えてもらったりして頭の中ではわかっているつもりだがそれができる気がしない。
どんどん手に汗をかいていくのが分かった。
そんな事を考えていたらパッと辺りの電気が消え次の瞬間動くイルミネーションが現れた。
今まではキラキラしていただけだったけど動きや周りとの連動があるとこんなにも景色が違って見える。

『すげー!!!』
俺は思わず声に出てしまった。
隣を見ると真珠子も目をキラキラさせている。

(そうだ。きっと真珠子はこういうの初めてなんだ。)
そんな真珠子の無垢で純粋な笑顔を見ていたら、さっきまで頭の中をグルグル回っていたシチュエーションの呪縛から解き放たれた気がした。

(こっちがいくら考えたってその通りにはいかないよな・・・。)
そんな事を真珠子の笑顔を見つめながら思った。


(渡せそうなタイミングが来るまで待とう。)