ふとスケッチブックを手に取り、頁を捲ってみる。
視界を埋め尽くすのはどれもこれも、僕が想い描いていた世界であり、未来。
小さい頃に1度だけ会った、あの子のことも描いていた。
「…なにこれ」
すると、明らかに僕が描いたものでは無い絵が描かれている頁を見つけた。
これは…なんて酷い……絵心がないにも程がありすぎる。
小さな子供の方がまだ上手だ。
これは多分、伊緒だなと、直感的にそう思った。
それに、僕のものを勝手に触るのはあいつしかいない。
メンバーみんなの後ろ姿なのかなんなのか、6人の棒人間が立っていた。
髪の毛でわかる。
棒人間に、明らか不自然の髪の毛が生えている。
「ふっ…」
伊緒らしい。
不器用そうだもんな、あいつは。
それを軽く指で擦った後、またぺらぺらと頁を進めていく。
やがて何も描かれていない真っ白な頁になり、それを閉じようとした手を止めた。
目を凝らしてみないといけないほど小さな、けれど綺麗な字で控えめに書かれた何かを見つけた。
